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アフリカの野生のイネが持つ雑種花粉の発育不全を引き起こす遺伝子を同定~アフリカ野生イネを用いた品種改良への貢献に期待~(農学研究院 准教授 小出陽平)

2024年5月1日

ポイント

●イネの種間雑種において花粉の発育不全を引き起こす遺伝子を解明。
●ゲノム編集を用いて花粉の発育不全を起こさない変異体の作出に成功。
●アフリカの野生のイネを用いた品種改良の進展に期待。

概要

北海道大学大学院農学研究院の小出陽平准教授、金澤 章教授らの研究グループは、アフリカの野生のイネが持つ、雑種において花粉の発達が異常になる現象(雑種不稔ふねん性)の原因遺伝子を明らかにしました。品種改良において、交雑により雑種を作ることは欠かすことのできない過程です。しかしながら、イネの場合、異なるしゅ同士の交雑では、雑種を得ることはできても、雑種が作る花粉の発育不全などが生じます。このことが、異なる種が持つ有用遺伝子を品種改良に利用することを妨げています。

本研究では、アフリカ原産の野生イネ(オリザ ロンジスタミナータ)と、アジアの栽培イネの間の種間雑種で見いだされる花粉の発育不全に着目し、原因となる遺伝子の一つを明らかにしました。この遺伝子は、クロマチンリモデリング因子をコードしており、ゲノム編集を用いてこの遺伝子を破壊したところ、雑種における花粉の発育不全が緩和されることが示されました。興味深いことに、イネの近縁種において、この遺伝子が無くなっている系統が存在することが分かりました。この系統においても雑種における花粉の発育不全が緩和されていました。

今回見出した遺伝子以外にも、イネの種間雑種において花粉の発育不全を引き起こす遺伝子が存在することが示唆されています。今回の成果は、雑種における花粉の発育不全の全容を解明すること、さらには、異なる種を用いた品種改良につながるものと期待されます。

なお、本研究成果は、2024年4月17日(水)公開のiScience誌に掲載されました。

論文名:OlCHR, encoding a chromatin remodeling factor, is a killer causing hybrid sterility between rice species Oryza sativa and O. longistaminata(クロマチンリモデリング因子をコードするOlCHR遺伝子はOryza sativaOryza longistaminataの種間における雑種不稔性を引きおこすキラー因子である)
URL:https://doi.org/10.1016/j.isci.2024.109761

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イネの雑種花粉の発育不全。黄色の花粉は発育不全のためにデンプンが蓄積せず、機能を持たない。